スポンサーサイト

--.--.-- (--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

「クラッシュ」

2006.03.06 (Mon)

もしも、地球上のすべての人の 「 肌の色 」 が同じだったなら、
差別も、偏見も、争いあうこともないのでしょうか。
だとしても、きっと人は、違う理由を見つけては、またぶつかり合う。
まるで、誰かを傷つけることで、自分の 「価値」 を確かめるようにー。

クラッシュ ( 2004年/アメリカ 原題:CRASH ) 
【監督・脚本】 ポール・ハギス
【製作】 ポール・ハギス/ボビー・モレスコ/キャシー・シュルマン
      /ドン・チードル/ボブ・ヤーリ
【音楽】 マーク・アイシャム
【出演】 サンドラ・ブロック/ドン・チードル/マット・ディロン
      /ブレンダン・フレイザー/テレンス・ハワード
      /サンディ・ニュートン/ライアン・フィリップ


クラッシュ を、観ました。 
その感想は・・・? ( ストーリーのネタバレはありません )

More・・・

   
監督・脚本は、あの ミリオンダラー・ベイビー の製作・脚本を手がけた、ポール・ハギス
とても初監督とは思えないほど、素晴らしい見せ場が詰まった演出。
暗い映画館の中で、わたしは何度も息苦しいくらいの緊迫感と、体の震えを覚えながら、
スクリーンに映し出された映像の、その奥の奥にあった 人の心 を見つめていた気がします。

それは、ロサンゼルスのハイウェイで起きた追突事故をきっかけに引き起こされる、
人と人との 衝突の連鎖

地方検事と、情緒不安定なその妻。
家出した弟を待ち続ける母を、兄として見守る、刑事。
TVディレクターと、その妻。
家では父親を介護する、警官。
前科もちの鍵の修理屋と、その幼い娘。
雑貨屋を営む、移民家族。
自動車の窃盗を繰り返す、少年達・・・。


同じ街で暮らしながら、肌の色も、年齢も、国籍も、仕事も、全く異なった人々。
普通なら言葉を交わすことも、関わり合うこともなかったはずなのに、
それぞれに些細なきっかけから出会い、感情をぶつけあうことになります。

自分の身は自分で守れ。 」
目が合った一瞬のうちに、相手が“ 敵 ”に変わる、“ 恐怖 ” 。
確証もないのに、過剰防備しなければ気がすまない、“ 不安 ”。
差し出された手さえ、受け入れることを拒む、“ 疑心 ”。
己の過ちを振り返る前に、相手を服従させてでも得たい、“ 安堵 ” 。
目に見えるもの、手にしているもの全てに意味を見出せない、“ 虚無 ”。 
そして、そんな心理の裏に深く刻み付けられているのは、
どんな手段を用いても、今だに拭い去ることができない、鮮烈な「あの日」の記憶ー。

「 目には目を。歯には歯を。 」
考えすぎかも知れません。きっと、いろんな方がいろんな見方をされることと思います。
ただわたしには、この映画が2001年9月11日を境に、
確実に変わってしまった 人の心の何か の、縮図であったように思えてなりませんでした。

憂鬱さと抑圧された感情は、やがてストレスとなって増幅し、爆発 せずにはいられない。
それこそが、クラッシュ 最大の 見せ場 だと思います。
登場人物それぞれに用意されたクライマックスは、まさにヤマ場の連続。
これでもか、これでもかと言わんばかりに、たたみ掛けるような 衝撃の連鎖 は、
激しい起伏となって、観客の心に押し寄せる。
飲み込まれたまま、最後の最後まで、結末を予想することなんて、できませんでした。
そして、不思議なことに見終わった時、誰かを愛し、信じたいと素直に思えた自分がいました。


さて、クラッシュ は、音楽も、とても印象的です。担当したのは、マーク・アイシャム
この方は リバー・ランズ・スルー・イット のスコアが有名ですね。
最近では イン・ハー・シューズ の音楽も手がけていましたが、
今回は、多国籍な群像劇にふさわしい、アンビエントでエキゾチックなスコアからラップまで
幅広く流れて、映画館を独特の雰囲気で包み込んでくれました。

俳優陣での注目は、やっぱり マット・ディロンドン・チードル
アカデミー助演男優賞にノミネートされ、個人的に好きだったマット
出番はそう多くはないんだけれど、特にこの写真のシーンの、
覚醒したように呆然とだたずむ表情が、素晴らしかった!
そして、製作にも名を連ねる ドン・チードル の、静かな熱演!
刑事として、感情を表に出さない訓練を受けたかのような押さえた演技が、
その後の展開を引き立てて、とても印象的でした。
>

セリフ、映像、音楽、どれをとっても、ポール・ハギス 監督の渾身の思いが伝わってきます。
この脚本に惹かれ、大スター達が出演したがった理由も、今なら分かる気がする。
それはあの テロ 以降、いまだに先の見えない不安を抱え、まだどこかで怯え続ける
鬱積した 心の叫び を、 誰もが抱えているからではないでしょうか。
本当はもっと触れ合いたいのに。 本当はもっと分かりあいたいのにー。
誰かを標的にすることで、自分を癒さずにはいられない、そんな何かがおかしい現実に、
“わたし” は,目を背けてはいないだろうか?
たとえ同じ人種であっても、たとえ血のつながった者同士であっても、分かり合えるとは限らない。 
でも、もしも全ての原因が 「人の心」 にあるとするならば、それを止められるのも、
やはり 「人の心」 だけなのかもしれません。

全ての登場人物が クラッシュ したことで、取り戻したものと、失ったものはなんだったのか?
皆さんも、ぜひ映画館に足を運んでみて下さい。
自分のその目でご覧になって、ポール・ハギス 監督のメッセージを感じてみて下さい。
決して明るい映画とは言えないですし、群像劇ですから登場人物が多いですけど、
本当に、心からたくさんの人に観てほしいと思えた作品です。
これは、絶対おススメします!

♪ > 『 クラッシュ 』 観たいですか?
    ↓

banner_02.gif

テーマ : ブログ日記 - ジャンル : ブログ

23:29  |  アメリカ映画  |  Trackback(2)  |  Comment(12)

Comment

観たのね!

わたしは去年、ACの飛行機の中で見ました。
英語で観たけどすご~~~~く伝わってくるのもがあって
面白かったってしつこく書いていましたでしょ。でしょ!
でもこの手の映画は日本では、興行的にはかなり難しいのよね!

ぜひ、メジャーな映画館でガンガン小屋がけして欲しいです。
みんなも見に行ってちょ~~~(なぜか名古屋弁?)

リースちゃんおめでとう!←しつこい!ぼかっ!
べぶ |  2006.03.07(火) 00:02 | URL |  【編集】

オスカー獲りましたね

<もしも全ての原因が 「人の心」 にあるとするならば、それを止められるのも、
やはり 「人の心」

そうですね、この作品ははっきりとした結論があるわけではありませんが、答えは総て人の心にあると思わせる帰結だったと思います。
見知らぬ他人への不寛容、恐怖、そういう感情の襞がよく表現された作品でした。
またイーストウッド作品の脚本を手がけているようですね、楽しみです。
lin |  2006.03.07(火) 00:25 | URL |  【編集】

オスカー撮りましたね。

私は、今週観てきましたよ~。
(もちろんKBCで・・・・会えなくて残念です!!笑)
人間として、いっぱい考えさせられる映画でしたね~。
セルフの1つ1つも結構重いものがありました。
ホントにもっと大きな劇場で、多くの人に観てもらいたいですね~。
ルナ |  2006.03.07(火) 00:34 | URL |  【編集】

こんばんはっ!

★べぶさん、一夜明けても、今だ興奮冷めやらず。。。
そうなのです、見たのよ、見たの! 
もう、感じたことが山ほどあって、感想長くなっちゃった!

字幕が正確な意図を表現しきれてるかはわからないけど、
力のある映画は、英語だけでも、ガンガン伝わってくるものがありますよね!
こういう映画が賞を取ることで、観客の間口が広がるっていうのは、
とてもいい傾向だと思うなぁ。 
たくさんの映画館で、上映してほしいですよね! 一緒に署名でもする?(爆)


★linさん、コメントありがとうございます!
いろんな事を考えた映画だったのですが、おっしゃるとおり、私もそんな帰結だったと思っています。
そして、ポール・ハギス監督。今回も「ミリオン・・・」に通じる奥深さを感じさせてくれましたね。この監督さん、表には目に見える問題をドーンと押し出しながら、
その裏に、とてもシンプルなメッセージを込める監督のような気がして。
また、イーストウッド監督と組むのですね!
もしかして、あの日本でロケをした映画のことかしら?
これからいいコンビになりそうなお2人・・・。本当に今後が楽しみですね!


★わぁ、ルナさん! 実は先にルナさんの記事を拝見していたのですが、
わたしも見たら改めて伺おうと思っていたところだったんですよ!

もち、KBCシネマですよねっ。久しぶりに出かけたんですけど、
天神から歩いたら、やっぱり遠くて、おまけに海風も強くて、
もうついた頃には、ひとりゼイゼイ言ってました(笑)

そうそう、セリフも心に残るものがたくさんありましたよね。
アカデミーをきっかけに、たくさんの人が見てくれたらいいのに、とわたしも思います。
ルナさん、次回はシネテリエ天神の「ブロークバック・マウンテン」ですか?
今度は、後ろからひざかっくんしてもいいですか?(笑)
Carolita |  2006.03.07(火) 23:22 | URL |  【編集】

ブロークバック・マウンテン

はい!公開になったら、レイトか水曜日にでも
シネテリエ天神へ行こうと思っていま~す!!
ちょっとウキウキした挙動不振な?人物がいたら・・・
私かもしれませ~~~ん(笑)
でも、後ろからひざかっくんは勘弁してください!!(曝!)
ルナ |  2006.03.09(木) 00:33 | URL |  【編集】

それは・・・。

★ルナさん、それは約束できませんね・・・ふっふっふっ!!!
暗い映画館では、ひざ裏にご注意下さい。背後から狙っている怪しい人影は、
きっとわたしですっ (←映画より、それがいちばん楽しかったりして(爆)!)
Carolita |  2006.03.09(木) 23:24 | URL |  【編集】

「魔法の透明なマント」よかったです

観て見てきましよ。
前に座ったお兄ちゃんが異常に座高が高く、頭髪が逆立っているので、字幕を読むのに一苦労(涙)。
おもわず、後ろから「矯正の斧」@「シャイニング」で殴りそうに。
シナリオと編集がみごとでしたね。シナリオ構成はどこか「パルプ・フィクション」を思いださせました。あ、最近だと内田けんじさんの「運命じゃない人」。

ラストに降る雪とたき火の炎に、過酷なロスの街に生きる人たちを包み込み癒すような一筋の希望を感じました。
robita3 |  2006.03.10(金) 10:42 | URL |  【編集】

●ブログ村のクリック張り替えた方がいいみたいですよ。左下のマイページから張りなおさないとポイント洩れがあるみたいです。多分、3月にお知らせメール来てるハズ。
moviemania1999 |  2006.03.10(金) 17:44 | URL |  【編集】

★robita3さん、ご覧になったのですね~! 
ふふふっ、そうですか、座高が高かったですか?(笑) 
その気持ち、痛いほどよーくわかりますよ!
わたしが観に行ったときは、OL風の女子が、コンビニのビニール袋を、
イイところで「シャリシャリシャー!」といわせていたのが、気になって気になって・・・(爆)

なるほど~「パルプ・フィクション」。うんうん、そうかも!
炎の描写は、捨てた者と得た者の、対照的な心が表されているようで、
わたしもジーンときました。
ダークな問題のなかにシンプルなメッセージを込めるのが独特な監督さんですね。
それは「ミリオン・・・」でも、強く感じました。次回作も楽しみですねっ。
Carolita |  2006.03.11(土) 00:42 | URL |  【編集】

★moviemania1999 さん、ご指摘助かりました、ありがとう!
そっちは全然詳しくないので、メールが来ていたのもそのままにしていたのですよ。何事も、よく見なきゃいけませんねっ。本当にありがとうございましたっ♪
Carolita |  2006.03.11(土) 00:45 | URL |  【編集】

アカデミー賞作品賞に輝いたこの作品、
なんと私の地元では上映されなかったんです。
なので新宿まで観にいったんですけどね、驚くほど小さな箱で
整理券GETして端の方にやっと座って鑑賞できたという感じでした。
こんないい作品もっと大勢に観てもらいたいって思うのに
これからですかね、まだ広がっていくのは。
Carolitaさんのレビュー読んでいると鳥肌が立つほどに
あの日のことを思い出します。
何ともいえない気持ちで劇場をあとにした私でした。
ジュン |  2006.04.16(日) 15:43 | URL |  【編集】

いらっしゃいっ♪

★ジュンさん、そうですか~、新宿ではそんなに小さな映画館だったのですね。
でも、博多も似たようなもんで、おまけに隣に座ったお姉ちゃんが、
コンビニの袋をシャリシャリさせる音、もう気になって気になって・・・(笑)。
ホント、もっと大きな映画館で上映してくれたらいいのにと、つくづく思います。

この映画のレビューは、ちょっと力が入っちゃいました。
ちょうどテロ直後のアメリカ国内にいたので、その時のことを思い出しちゃったんですね。
なんともいえない気持ちで劇場を後にされたジュンさんのお気持ち、よく分かります。
本当に、たくさんの人に観て欲しい映画でしたね。
Carolita |  2006.04.16(日) 23:40 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://carolitacafe.blog9.fc2.com/tb.php/126-1ba6ae81

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

アカデミーの前にはほんとは、作品賞はみておきたいです。なかなか日本ではそれができずに残念。なので、これはがんばってみなくちゃと、行ってきました。ほぼ満席。すごいです。「ミリオンダラーベイビー」脚本のポール・ハギスが監督。・・・それだけでいかばかりか?と心
2006/03/07(火) 23:31:28 | 毎週水曜日にMOVIE!
う~~ん!なんかすごい!!ちょっと説明するのは難しいのですが、人間の日常に潜むどうしょうもない怒りや悲しみ、愛を描いたヒューマン・ドラマです。舞台は、ロサンゼルス。ハイウェイで起こった自動車事故をきっかけに色々な人種、階層、職業の人々が1つの物語に繋がれ
2006/03/07(火) 00:35:31 | ルナのシネマ缶

▲PageTop

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。