スポンサーサイト

--.--.-- (--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

「ブロークバック・マウンテン」

2006.03.25 (Sat)

「映画史上、最も心揺さぶられる愛の物語・・・」
この映画のチラシのコピー、決して間違いではありません。
こんな映画は、いままで見たことがなかった。
わたしの中で「共感できる」といったら、それはウソ。
でも、この映画がもつ説明できない何かに 心を揺さぶられた のは、確か。
アン・リー 監督はスゴイことをやってくれたなぁ・・・と、思わずにいられなかったのが、

ブロークバック・マウンテン 
( 2005年/アメリカ 原題:BROKEBACK MOUNTAIN )
【監督】アン・リー
【原作】 アニー・プルー
【脚本】 ラリー・マクマートリー&ダイアナ・オサナ
【音楽】 グスターボ・サンタオラヤ
【出演】 ヒース・レジャー/ジェイク・ギレンホール
     /ミシェル・ウィリアムズ/アン・ハサウェイ
                /ランディ・クエイド


さて、その感想は・・・? ( ネタバレは、ありません )

More・・・

この物語は、2人のカウボーイ、イニス・デルマー ( ヒース・レジャー )
ジャック・ツイスト ( ジェイク・ギレンホール )ブロークバック・マウンテン で出会い、
その後、20年以上もの長い年月を経ながらも密やかに育まれた、
男同士の愛の軌跡が柱となっています。 いわゆる 同性愛 がテーマですね。
でもそんな言葉だけで、この映画を片付けてほしくないんですよ。
とにかく胸が痛くて切なくて、それだけじゃとても割り切れないし、伝えきれない思いが、
心の中から、後から後から込み上げてくる。



映画館を出た後、わたしの前を歩いていたグループの、こんな会話が聞こえてきました。
「オレは同性だからなぁ~。すごく複雑な気がするけど、
こんなにはっきりと正面からゲイの話を描いた映画は初めてなんじゃない?」
「女の目から観ると、どう見ても彼らを“男”として見ちゃうのよね。
秘密を知った奥さんの気持ちを考えると・・・。そっちがすごく気になった。
だって、どこにもぶつけようがないもんね。」
「でも、いい映画だったよね」
「うん、本当にいい映画だった」


1963年。アメリカ・ワイオミング州。
ひと夏の仕事を求め、ブロークバック・マウンテン にやって来た、イニスジャック
コヨーテから羊を守る「羊番」として雇われた2人のカウボーイは、
山のふもとに小さなテントを張り、昼は羊の群れを追い、夜は交代で羊のそばで眠り、
衣食住を共にしながら数ヶ月を過ごします。


遠くには、まだ雪化粧の残るブロークバック・マウンテンの山々。
ゆるやかな緑の丘陵には、転々と散らばって草を食べる羊たち。
青い空には、白い雲が流れては消えてゆく・・・。
そんな、どこまでも雄大でおおらかな大自然の風景をバックに
優しく響き渡る アコースティック・ギター の音色は、
まるで疲れた心を爪弾かれているみたいに心地よくて、
わたしの気持ちの でこぼこ を、ゆっくりゆっくりと癒してくれました。

アン・リー 監督は、心の繊細な描写が本当に上手い方だと思います。
なぜそうするのかを説明するのではなく、気持ちがそうさせる体の自然な反応、
例えば目の動きであったり、声のトーンであったり、指の震えであったり、
普通なら気にもとめないような 仕草 を、とても大切に撮っている気がして。
だから、観客にはすごく淡々とした日常のように映るんだけれど、
そのちょっとした仕草が積み重なっていくうちに、登場人物たちの心の距離が縮まったり、
離れていく過程が、自然と伝わってくる。


イニスジャック 、2人にとっての ブロークバック・マウンテン とは、
現実から開放される、ただひとつの 心の楽園 でした。
見方によっては、とても閉鎖的で、現実逃避で、決して侵入者を許さない、禁断の場所。
でも、わたしはいつの間にか、その場所に魅せられていました。

2時間14分、スクリーンの中では、ゆっくりゆっくりと が刻まれていきます。
2人が出会って、男同士の純粋な 友情 が育まれる時間。
お互いの心が求める 真実 を認めるまでにかかった時間。
認めた時から始まった、苦しみ の時間。
それは妻にとっても、家族にとってもやりきれない、あまりにも 残酷 な時間。
周囲を欺き、罪の意識にさいなまれ、終わりもなければ、未来もない。
それでも、愛する人から何かを奪うわけでもなく、ただ密やかに寄り添うことだけを願って、
いや、そうするしかすべがなかった、ひとつの愛のかたち・・・。

愕然としました。 そんな思いをしてまで、人を愛せるなんて。
美化するわけじゃなく、こんな形で 愛の原点 を見せつけられるとは思わなかった。
ヒース・レジャージェイク・ギレンホール は、本当に魂で演じてくれたと思います。
だって、わたしはもう切なくて切なくて、いつの間にか彼らが 男同士 であることなど、
忘れてしまっていたんですから。


人の価値観を決めるものは、一体なんなのでしょうか?
本当に正しい価値観って? それは、わたしにもわかりません。
自分が正しいと信じる価値観だけでは、世の中も、人の気持ちも計りきれない。
当たり前のことなんだけれど、これがなかなか難しい。
ただ、誰にも許されず、打ち明けられずに愛し続けるのは、どんなに苦しいことだろうと思った。
そして全て引き受けた上で、それでもただ一人を愛し貫く覚悟をもった人間を、
わたしは、決して笑うことなんかできないと思った。
ゴールデン・グローブ賞の授賞式のインタビューで、
アン・リー 監督がこんなことを語っていたのを思い出します。
「映画には、人の考えを変える力があると、私は信じています」

この映画は、男同士の恋愛を真正面から真剣に、そして純粋に受け止めて描かれた、
とても上質で懐の深い、素晴らしい作品です。
賛否両論あるでしょうが、とくかく先入観を持たずに、映画館のシートに腰掛けてみて下さい。
そうすればきっと、ブロークバック・マウンテンに流れる 時の流れ が、
人を愛する意味 を優しく語ってくれるはずですから。

最後に、アン・リー監督をはじめ、ヒース、ジェイク、ミシェル、アン、
その他この映画に携わった全ての人々の、その 勇気 に、心からの拍手を!

♪ > 『 ブロークバック・マウンテン 』 観たいですか?
    ↓

banner_02.gif

テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

22:49  |  アメリカ映画  |  Trackback(1)  |  Comment(5)

Comment

1つの愛の形

なんか、とても切ない愛の話でしたね~。
壮大で美しい大自然の映像と音楽が、いつまでも心に残る作品でした。
ある意味、問題作ではあるでしょうが、
私も、この映画に携わった全ての人々の「勇気」 に、
心からの拍手をおくりたいと思います。
ルナ |  2006.03.26(日) 22:56 | URL |  【編集】

すばらしいです

はじめまして。
BBMをみてから、色々な方の感想がみてみたく色々とめぐってます。
この作品、色々な意見があるとは思いますが、本当「心が揺さぶられ」ました。
ヒースとジェイクは本当すばらしく、アン・リー監督もすごいです。
この映画に携わった方々に感謝の気持ちを述べたいくらいです。
人を愛するということはどんなことかということを教えられた気持ちで一杯です。
ごん |  2006.03.27(月) 21:42 | URL |  【編集】

こんばんは~っ♪

★ルナさん、わたしも切なくて切なくて、胸がいっぱいになりました。
人の偏見や考え方は、きっと簡単には変わらないと思うけど、
こうやって、映画という形を借りて公に表現することが認められるようになったことが、
とても意味のあることではないかと思いましたよ。
アコギにはホントに癒されました~。体からアルファ波が出てくるのがわかりましたものっ(笑)
あれれっ?? そういえば映画館の隅っこでノシイカ食べてたの、アレ、ルナさんっでしょ??(爆)


★ごんさん、初訪問&コメントありがとうございます。そして、いらっしゃいませっ♪
そうですよね~。ホントに情緒豊かで、心を揺さぶられた映画でしたよね~。
監督の思いも伝わってきたし、ヒースとジェイクは、演じるだけでもすごく勇気のいる役だったのではないかしら?
好き嫌いも反発もあるでしょうが、とにかく、この映画を観て何かを感じたことが大事じゃないかなぁと思います。
まだあまり他の方の感想をのぞいていないので、わたしもゆっくりめぐってみますね。
Carolita |  2006.03.28(火) 21:41 | URL |  【編集】

凄いラブストーリーでした

http://d.hatena.ne.jp/kaoru1107/20061103
こちらのページの入り口を記させていただきました。

私は、この映画、ラストシーンのひとつ前のシーンが大好きです。
家族への責任から逃げ続けたイニスが、ジャックの死を受け止めた後に、初めて娘と向き合う会話のシーン。ここで彼は初めて父親になれたんですよね。

血染めのシャツを見つけたシーンで映画を終えることもできたのに、イニスの成熟を描く姿勢に感動します。

※Carolitaさんの「アマデウス」評が楽しみです。
kaoru1107 |  2006.11.30(木) 01:04 | URL |  【編集】

こんばんは!

★kaoru1107 さん、記事のリンクをありがとうございます!
本当に深く胸をえぐるような切なさを伴っていましたよね~。
kaoru1107 さんの大好きなラスト20分のシーン。
そのあたりはギューと胸が切なくて、身じろぎもできすスクリーンを見つめていたのを覚えています。

そして、イニスの成熟。それは同時に、ジャックの心の純粋さというか一途さを
見せ付けられたシーンでもあったような気がします。
より人間らしく見えたのは、迷い自らを蔑むイニスの方でした。
長い年月を経て、妻でも家族でもなく、やっと心が求める真実に添い遂げる姿には、
泣けました。アン・リー監督の繊細な描写なしには、きっとこの映画は成立しなかったでしょうね。

ご期待ありがとうございますっ♪「アマデウス」、とても楽しみです!
Carolita |  2006.12.01(金) 00:16 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://carolitacafe.blog9.fc2.com/tb.php/135-d043e9a8

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

カナディアン・ロッキーで撮影された大自然のシーンは、本当に壮大で美しかったです。特に空の美しさは、格別ですっかり心を奪われました。そして、物凄い数の羊!!山を駆け上がっていくシーンは、絶品でした。(数えてる人は、よく眠くならないものです・・・(~_~;)ストー
2006/03/26(日) 22:57:21 | ルナのシネマ缶

▲PageTop

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。