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チャップリンの「独裁者」

2006.08.14 (Mon)

「 悪いが皇帝にはなりたくない、ごめんだ。
支配も征服もしたくない。 できれば助けたい。
ユダヤ人も、黒人も、白人も、人類は助け合うべきだ。
お互いの幸せを願おう。 憎みあってはならない。
世界は、豊かでみんなが生きていける。
人生は、自由で美しいはずなのに―。 道を、見失った。 」


映画史に残る、あの演説シーンは、このくだりで始まります。
そして、この作品で初めて しゃべった、チャップリン。

 チャップリンの独裁者
( 1940年/アメリカ 原題:THE GREAT DICTATOR )
【監督・脚本・製作】 チャールズ・チャップリン
【出演】 チャールズ・チャップリン/ジャック・オーキー
     /ポーレット・ゴダード/チェスター・コンクリン




もうすぐ、61回目の終戦記念日 がやってきます。
久しぶりに、この作品を観たくなりました。 さて、その内容は・・・?

More・・・

時代は、第1次世界大戦の終わり。
トメニア兵として徴兵され、戦場で戦う ユダヤ人理髪師 ” ( チャールズ・チャップリン ) 。
そこで、ひょんなことからケガを負った 将軍シュルツ の命を助けることに。
しかし、“ 理髪師 ” は飛行機事故で記憶喪失となり、入院してしまいます。

数年後、勝手に病院を抜け出した彼は、友人達の待つゲットー ( ユダヤ人居住区 ) へ帰り、
再び床屋を始めるのですが、時は、トメニアの独裁者 アデノイド・ヒンケル ( チャールズ・
チャップリン )
の天下。 “理髪師”は、ユダヤ人を迫害するトメニア兵に対し、
ゲットーの仲間や恋人 ハンナ ( ポーレット・ゴダード/ちなみにチャップリンの3番目の妻だった方 ) らと共に、あの手この手で立ち向かうのですが・・・?

チャップリンの独裁者 が製作されたのは、1940年
ドイツのポーランド侵攻によって、第2次世界大戦が、事実上の開戦をした翌年の事です。

トメニア=ドイツを、ヒンケル=ヒトラーを風刺し、
そして、その ヒトラーと同い年 だったという、チャップリン。
いつもこの映画を見る度に、この映画を撮るまでに彼を突き動かしたものが何だったのかを、
つい考えてしまうのです。

この映画で、ユダヤ人の 理髪師 と 悪の独裁者 ヒンケル の2役を演じた、チャーリー。
善と悪 を象徴する2人の人間を、1人の人間が演じることで、
まるで人間には、2つの心が同居していることを表現してるかのようにも思えます。


悪者 ヒンケル は、実に滑稽に描かれています。 登場するだけで笑えてしまうことも度々。
歩き方や声の調子はもちろん、演説用マイクに頭をぶつけたり、
作戦指令書にサインしようとしたら、何度やってもペン立てからペンが抜けなかったりとか (笑)

また、世界征服を夢見て 風船の地球儀 で踊るシーンは、
あまりに素晴らしくて見とれてしまうし、
他にも、大切な店を燃やされてしまった 理髪師 が、
遠くの屋根上から、ただ黙って静かに炎を見つめ続ける後ろ姿には、
胸がジーンとするし、何度見ても、とにかく全部面白いんです。



わたしなどが、とても語れるものではありませんが、チャップリンが生み出す笑いって、
古いとか新しいとか、時間の経過 は関係ないんでしょうね。
ラスト10分前まで、どのシーンにも、笑いのツボがタップリ隠れてる。
そして、散々笑わせたあげく、あの演説のシーンがやってくるわけです。

道徳的には、人を嘲り 笑い者 にするのは、侮辱し、傷つける行為として、タブーなはず。
子供にも、きっと大人はそう教えるでしょう。
ですが、映画の中でチャップリンが、ここまでファシズムを痛烈に批判する、というより、
笑いを刃 にした喜劇王らしいやり方で、ファシスト達を、全人類史上最大の笑い者
仕立て上げたそこには、チャップリンという人間の、体中を震えさせたほどの怒りの感情
感じずにはいられないのです。

そして、散々コケにしたにもかかわらず、なおかつ、まだ納まらない彼の怒りの感情は、
さらに、最後の最後でキャラクターを超えた、自分の言葉 として噴出したかのように
思えてなりません。


映画は、確かに娯楽だと思います。 見てすぐに忘れてしまう作品もたくさんあるでしょう。
だけど、古くても語り継がれる映画には、きっと何か 目には見えない力 が宿っているように、
わたしは思います。
多くの人々が忘れられない理由が。 作り手達が込めた思いが。

私たちが、決して繰り返してはいけない過ちを、笑いに込めて語りかけてくれる、
言わずと知れた不朽の名作 チャップリンの独裁者
もちろん、わたしにとっても、忘れられない一本です。

2006年 8月15日   61回目の終戦記念日によせて。

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テーマ : 映画★★★★★レビュー - ジャンル : 映画

22:21  |  クラシック名画  |  Trackback(0)  |  Comment(6)

Comment

こんばんは

久々のコメです・・・

明日15日は終戦記念日ですが、それの関係?
この映画は文句なしに名画ですね。
戦争に対する強烈な風刺が効いています。
とにかく第二次世界大戦中に製作されたというのが
驚きますね。

もう決して惨劇は繰り返してはならないと思います。
ZEISS |  2006.08.14(月) 23:01 | URL |  【編集】

お返事遅くなりましたっ。

★わぁ! ZEISS さん、こんばんはっ♪こちらこそご無沙汰していますっ。
昨日は終戦記念日でしたね。わたしは祖母の初盆だったので、
実家へ帰っていました。
そうそう、それの関係で取り上げてみたんですよ(笑)
チャップリン、久しぶりに見ても本当にいいですよね。
あの時代に、こんな映画を作ってた国と戦っていたとは、改めて驚きますね。
世間でいろいろと騒がれてますが、惨劇を繰り返さない決意、
わたしも心の中で静かに祈った一日でした。
Carolita |  2006.08.16(水) 19:20 | URL |  【編集】

懐かしく素晴らしい映画!

 お久しぶりです~!現在、研修中で更新を休止しておりますルーシーです(笑)。

私も偶然ですが、最近チャップリンを大量にレンタ(笑)してしばらく見続けていました。
「街の灯」「モダンタイムス」「犬の生活」「サーカス」「担え銃」「黄金狂時代」・・・そして「独裁者」。

ひととおり観て、あらためて彼の作品の優れたメッセージ性を感じるとともに、今なお喜劇ばかりではなく映画界で目標にされている監督・俳優なのだと実感させられました! 
喜劇作品であっても、哀愁や感動を与えてくれる~彼はまさに天才であり、平和主義者ですね。 ハリウッド界から(アメリカから)長らく誤解を受けましたが、最終的には評価されましたね~。

 鳥肌の立つほどの喜劇作品を創れるのは後にも先にも彼だけかも知れません。
ルーシー |  2006.08.25(金) 21:36 | URL |  【編集】

こんばんは~♪

★ルーシーさん、そうですかぁ! わたしもちょっと前にNHKBSで特集された
ものをまとめて録画していたので、久々にいろいろ観たんですよ!
やっぱり、チャップリンはスゴイ方ですよね。 大人になって見直したほうが、
そこに込められたメッセージを深く感じることができるようになった気がします。

>鳥肌の立つほどの喜劇作品を創れるのは後にも先にも彼だけかも知れません。
そうそうそうなんですよ。、「鳥肌」モノとは、こういうことですよね!
こうやって、感動を分かち合えてうれしいです!
お忙しそうですが、体に気をつけてくださいね。 また更新されるのを楽しみにしていますっ♪
Carolita |  2006.08.27(日) 22:25 | URL |  【編集】

この映画は・・・

中学1年の時のリバイバルを、学校の授業として劇場で集団鑑賞しました。
オイルショックの頃の佐世保の公立中。粋な平和教育でした。
演説シーンは、ジョン・レノン同様イデオロギーを超越したメッセージだと思います。40年のアカデミー賞に無視されたのは残念なことでした。さらにその10年後には米国を離れることになるとは、歴史の不条理ですね。

“間違えられた人物”が影響力あるメッセージを放つ映画といえば、趣向は異なりますが、ピーター・セラーズの「チャンス」がありましたね。
kaoru1107 |  2006.11.26(日) 22:51 | URL |  【編集】

そうですか~!

★kaoru1107さん、いつもありがとうございますっ♪
わぁ~学校の授業で鑑賞とは粋な授業ですね!
わたしも映画を授業に役立てたらいいのになぁと、常に思っていますよ。
最近では、そのような取り組みなどは可能なものなのでしょうか?
オスカーから除外されてしまったという歴史も、当時この映画がそれだけの
影響力をもっていたという事の裏返しですね。
スクリーンから発せられる“力”には、何度観ても心を打たれますもの!

ピーター・セラーズの「チャンス」は見ていないのですっ。
レンタル屋さんで、今度探して見ますね!
Carolita |  2006.11.27(月) 22:14 | URL |  【編集】

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