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ナターシャ・キンスキーの「テス」

2007.04.18 (Wed)

映画や小説で出会う、さまざまな 女性 たち。
時には可憐に、時には強く、時には儚く、時には破滅へー。
彼女たちはスクリーンを通して、たくさんのことを語りかけてくれるよう。
そして、この映画のヒロインも、わたしにとって忘れられないひとりといえるでしょう。

 テス ( 1979年/フランス・イギリス 原題:TESS )
【監督】 ロマン・ポランスキー
【原作】 トーマス・ハーディ
【脚本】 ジェラール・ブラッシュ/ロマン・ポランスキー
     /ジョン・ブラウンジョン
【撮影】 ギスラン・クロケ/ジェフリー・アンスワース
【出演】 ナスターシャ・キンスキー/ピーター・ファース/リー・ローソン
     /デヴィッド・マーカム/アリエル・ドンバール


この懐かしいDVDは、いつもブログでお世話になっている Kaoruさん にお借りしたもの。
おかげで、一番輝いていた頃の ナターシャ・キンスキー に、再び出会うことができました。
さて、その感想は・・・?

More・・・

舞台は、19世紀末のイギリス。
緑豊かなドーセット地方の片田舎に、貧しい農夫の娘として生まれた
テス・ダービフィールド ( ナターシャ・キンスキー )

ある日、飲んだくれの父親は、村の神父からダービフィールド家の先祖が、
実は 由緒正しい貴族の血統・ダーバヴィル家の末裔 であることを聞かされます。

欲に目がくらんだ両親は、美しく成長した長女・ テス を遠い親戚である
ダーバヴィル家へ奉公に出すことに。
家族の暮らしを助けるために仕方なく、テス は ひとり旅立つのですが・・・?





上映時間、約3時間。 
イギリスの文豪 トマス・ハーディ の純文学 「 ダーバヴィル家のテス 」 を映画化した、
巨匠 ロマン・ポランスキー 監督の文芸大作。
偉大なる没落貴族の末裔、テスの流転の生涯があまりに壮絶で、
見終わった後も、すぐにはレビューを書くことができませんでした。




映画は、テスがまだ乙女だった頃、生涯で一番輝いていたある一日の風景 から始まります。

手には花束を。頭には花の冠を。 まきば までの野道を弾むように行進する、村の娘たち。 
辺り一面を黄金色に染め上げて、陽が陰り始めた頃、
白いフリルのドレスの裾をなびかせながら、輪になって踊るクラブダンス。
楽しげな音楽と娘たちの笑い声に誘われて、いざ我もと輪に加わった通りすがりの青年を、
じっと見つめる少女がひとり・・・。
それが テスにとって運命の出会いの始まり であったことなど、まだ知る由も無く、
彼女の肩ごしに沈む 夕日 は、まるでその後の人生を暗示するかのように
赤く輝きを増して落ちてゆきました。

テス の魅力は、なんといっても ナターシャ・キンスキー の美しさ。
あの、彼女の瑞々しさの内側に潜む、芯のある輝き・・・。
朝露に濡れたままの熟れた苺を、はにかみながらそっと頬張るシーンでは、
初々しさと、ほのかな色香がスクリーンからこぼれ落ちそうです。

わたしは原作を読んではいませんが、そのシーンが書かれていたとしたら、
どんな文章で表現されていたんだろうと大変興味が沸きました。
小説には小説でしか味わえない醍醐味があり、映像には映像でしか表現できない醍醐味が
あるのでしょうが、このシーンひとつ取って見ても、監督が“テス”という 小説の主人公 を、
見事なまでに 映像として昇華させた証 のようで、
ポランスキー監督の偉大さに感服せずにはいられませんでした。





テス は、とてもとても悲しいお話です。
知らないままでいれば幸せだったかもしれないものを、知ってしまったことで始まる悲劇。
人の業に翻弄され、女の身ひとつで、何度も何度も苦しみを舐めては彷徨う、流浪の旅路 。

ヒロインは、喜びよりも哀しみによって、少女 から へと成長してゆきます。
彼女が背負う 没落貴族の影 こそが、テスの美しさを一層際立たせ、
人々を狂わせたのでしょうか。
人生ではじめて知った、たったひとつの愛の赦しを請うために、
自ら受難の道を受け入れたのでしょうか。




その時代、女性が自立し、自分に正直に生きるようとすることは、
どんなに険しく、いばらの道であったことか。
彼女の揺るぎない愛がひとつだけ勝てなかったものがあったとしたらー。
きっとそれは、 貧しさ だったのかもしれません。 

わたしは、“テス”を演じた ナターシャ・キンスキー の、あの瞳が忘れられません。
最後まで失わなかった気高い瞳の奥にいつも見え隠れしていたのは、
その両腕で、その凍える体をしっかりと抱きしめていた、彼女の残像。
たったひとつの愛を求め続けた孤独な心 を思うたび、今でも胸が痛くなってしまうのです。




そして迎えるラストシーンは、実に神秘的。
はるかかなたの地平線から昇る 朝日 は、まるで没落貴族の呪縛から解き放たれた、
テスの心の象徴のよう。
とても悲しいお話なのに、わたしは何故か、安らかで不思議な安堵感に包まれていました。

ナターシャ・キンスキーの テス は、宿命の愛にその身を捧げたひとりの女性の破滅の軌跡。
この世に後悔しない愛があると信じる貴女なら、きっと心に響く一本です。

DVDをお借し下さったのは、ブログのお友達、kaoruさん 。
映画検定一級をお持ちの上、洋画邦画を問わず幅広い視点から映画を専門的に考察、
また愛情込めて書かれた記事は、なるほど~!と読み甲斐のあるものばかり。
わたしもいつもたくさんのことを教えて頂いています。
皆さんも、ぜひ一度のぞいてみてくださいっ♪

→kaoru1107さんのブログ皇帝のいない三月』へ

いつの時代も映画のヒロインたちは、わたしたちに多くのことを語ってくれますよね。
「 Caroli-ta Cafe 」 では、女性必見!の映画 というカテゴリーを設けて、
スクリーンの中で永遠に生き続ける女性たちを、これからもたくさん紹介していきたいと
思っています。 皆さま、どうぞお楽しみにっ♪

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テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

22:18  |  女性必見!の映画  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

Comment

あの苺のシーン。映画「テス」の中で最もエロティックだったのがあのシーンであり、ナスターシャ・キンスキーといえば、いまだに私はあのシーンを思い出すのです。

テスの悲しい運命に、その引き金となる男の身勝手さにいらだち、いや、怒りを感じながら観たのを覚えています。あの映画を観た後、私はナスターシャ・キンスキーのファンになっていました。
オルサ |  2007.04.20(金) 00:19 | URL |  【編集】

★オルサさん、コメントありがとうございます!
その通りですよね。もっともエロティックで、肌を露出させるよりも
ずっと強烈に見るものの心を捉えた忘れられないシーンだと思います。

彼女を苦しめた2人の男性は、本当に身勝手極まりないもの。
だけど、そんな男性を愛してしまった自分を、運命のようにとことん受け入れた彼女の生き方に、
大人になって再見した今、改めて発見したように胸を打たれてしまいました。
わたしならそこまでは決してしようとは思わないけれど、それほど人を愛したと
いうことなんでしょうね。
Carolita |  2007.04.20(金) 22:11 | URL |  【編集】

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