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「ヴェラ・ドレイク」

2007.06.24 (Sun)

愛する人の 秘密 を知ってしまった時こそ、愛は試されるのでしょうか。
これは、いろんなことを、たくさんたくさん考えさせられる映画です。
ヴェラ・ドレイクー。 彼女の生き方を、貴方はどう感じますか?

ヴェラ・ドレイク
( 2004年/イギリス・フランス・ニュージーランド 原題:VERA DRAKE )
【監督・脚本】 マイク・リー
【出演】 イメルダ・スタウントン/フィル・デイヴィス/ピーター・ワイト
     /エイドリアン・スカーボロー/ヘザー・クラニー
     /ダニエル・メイズ シド/アレックス・ケリー
     /サリー・ホーキンス/エディ・マーサン/ルース・シーン



さて、その感想は・・・?

More・・・

舞台は、1950年代のイギリス・ロンドン。
主人公 ヴェラ・ドレイク ( イメルダ・スタウント ) は、どこにでもいる平凡な中年主婦。
自動車修理工の勤勉な夫、内気な娘と夜学に通いながら働く息子という、
温かい家族に囲まれて、貧しくとも、ささやかな暮らしを営んでいました。




そんな彼女の生きがいは、誰かを助けること 。
一人暮らしの母親の面倒をみながら、昼間は家政婦としても働く毎日のなかで、
近所の老人や病人が困っていると聞けば、労を惜しむことなく足を運んで、
身の回りの世話をする。
天使のような優しい心と明るさで、常に周囲の人々を勇気付ける彼女には、実はある 秘密 が。
それは、望まない妊娠をした女性たちの 堕胎の手助け をすること。
しかし、とうとうある日・・・?





しゃんと伸ばした背筋。 血色の良いピンク色の頬でよく喋り、よく動く体。
スクリーンに登場した イメルダ・スタウントン 演じるヴェラ・ドレイクの印象は、健康そのもの。 
その姿からは、はつらつとした活力がみなぎっていました。

そんな生命力溢れる様子と、抱える“秘密”との間には、なんとも大きなギャップがあります。
言葉にすれば、あの人が、まさかそんなことを! という感じでしょうか。





しかし、その アンバランスさ こそが、この作品では実に大きな意味合いを持つのです。

それは、ヴェラ・ドレイクにとっての “ 堕胎の手助け ” という行為は、
「 人が喜ぶ顔が見たいー。 」という、純粋な思いの延長線上にあるものでしかないから。

例えば、誰かの為に温かいお茶を入れる。
例えば、誰かの為に食事の支度をする。
例えば、誰かの為に堕胎の手伝いをする。

つまり、彼女のすべての行いは、分け隔てない同等の人助け なのです。
マイク・リー 監督は、何をするときでも段取りよくテキパキとこなす
彼女の所作を、どれも同じテンポで、実に淡々と描きだしていきます。 
そこに、迷いや罪悪感などは、全く存在していないかのように。

それを見ていると、まるで自分の常識が麻痺していくような気分に
なってしまうのです。


ですが、なぜか責める気持ちになれなかったのは、そこに決して見返りを求めない主人公の、
無償の愛と奉仕の心 を見てしまったからなのかもしれません。
そして、貧しいがゆえの 無知さ を。

もしも、ヴェラ・ドレイクが賢い人間であったなら、最低限の教育を受けていたのなら、
もっと良心の呵責を感じていたでしょう。

「人が喜ぶ顔が見たいー。人を助けたいー。」

ただそれだけを純粋に願い、見返りを求めず実践できるのは、素晴らしいことですよね。
誰かの役に立っているという充実感と満足感は、人を輝かせてくれる。

思いがなくては、人を救えない。 だけど、思いだけで人は救えない 。

正しい認識がないままに思いが先走るのは、とても恐ろしいことだと思いました。
その結果、一番幸せにしたい人々を、一番不幸にしてしまった、主人公の生き方。
彼女が本当に心の優しい人間として描かれていたからこそ、胸が痛んでしまいます。





この世には、同じことなのに法律で赦される行為と、法律で裁かれる行為があります。 
その行為にゆだねられる 命の重さ も同じはずなのに、何がどう違うのか、
映画は答えをくれません。
まるで、観客の心に静かに静かに、ズッシリと問いかけてくるよう。

ヴェラ・ドレイクが罪深いのは、自分の無知さ に気がつかなかったこと。
そして、それでもすべてを赦すことができるとしたら、それは家族の愛かもしれない。

映画を見終わった後、わたしはそう思わずにはいられませんでした。

ヴェラ・ドレイク は、多くを説明しない、語らない作品です。
この もの言わぬ映画 は、観客の想像力にゆだねられる部分が大きいからこそ、
その奥には人間の尊厳にかかわる根深いテーマが込められている気がします。

さぁ、貴方はヴェラ・ドレイクの生き方を赦せますか?
そして、もしも 愛する人の秘密 を知ってしまったら、貴方なら全てを赦すことができますか?

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テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

11:46  |  女性必見!の映画  |  Trackback(1)  |  Comment(8)

Comment

パソコンからだと・・・

続きを読むをクリックしても真っ白で何も表示されませんでした・・・。
ですので、TBもできず・・・。
気持ちだけ送らせていただきます(笑)

さて、2005年の劇場No.1はこの映画でした。
毎回観に行く度に唸らされるマイク・リーですが、今回も凄い。

例の顔のアップのシーン、警官役の役者がいることすら知らなかったという、相変わらずのマイク・リー演出ですが、だからこそあの表情ができるんでしょうね。
何から何までわかった上で撮影に挑み、いくらその場でびっくりした気持ちで演じても、ほんとに知らなかったということに勝るものはない。

“普通”を演じることがいかに難しいかを再認識させてくれたイメルダ・スタウントンにも脱帽でした。
micchii |  2007.06.25(月) 19:41 | URL |  【編集】

こんばんは。

★ micchii さん、まぁ!「続きを読む」が表示されませんでしたか?
今は大丈夫みたいなのですが、どうしちゃったんでしょうね・・・汗
お気持ちは確かにキャッチいたしましたが(笑)、よろしかったらまたT/Bチャレンジお願いしますねっ。

マイク・リー監督、他の作品はあまり知らなかったんです。
ですが、この作品を見て、リアリティを追求される方なのかなぁと感じました。
でないと、あの演出にあの表情はできませんよね。役者もみんな監督を信頼して
自分達でさえ予測できないリアクションを楽しんでいたようにさえ見えました。

>“普通”を演じることの難しさ。 
うんうん、難しいけど、それが一番観客の心を捉えるのかもしれませんね。
オープニングとラストで見せたイメルダ・スタウントンの歩き方の変化、すごかったです。
Carolita |  2007.06.26(火) 23:06 | URL |  【編集】

こんにちは

Caroli-taさん こんにちは
こちら、劇場公開時に気になってました。
なんだか重そうだなと思って、結局行かずじまいだったんですけど…
重厚そうな作品ですね。
Caroさんのレビューを読んでるだけで、なんだかドキドキします(笑)
心惹かれるものがあるので、機会があったら観てみますねっ。
Nyaggy |  2007.06.28(木) 12:57 | URL |  【編集】

こんばんはっ♪

★Nyaggyさん、そうなんですよ。 「重そうだなぁ・・・」と思って、
わたしもDVDまで先延ばしにしていたクチですっ。
だけど、思ったよりは淡々と時間が流れていくから、後からググッとくる感じでしたよ。
うふふっ、ドキドキさせちゃいましたか?
大丈夫、大丈夫、コワくないですから、機会があればぜひご覧になってください!
女性は特に、いろんな事を考えさせられる作品じゃないかなぁ・・・。
Carolita |  2007.06.29(金) 00:32 | URL |  【編集】

ご無沙汰です。

この映画は未見ですが、関連した映画(実はこっちも未見)があります。
1989年の「主婦マリーがしたこと」クロード・シャブロル監督です。
こっちも平凡な主婦が“堕胎”に手を貸す姿がモチーフになっています。ただ、戦争と貧困という問題が基調になりますので、相当異なる作品世界だと思いますが。

kaoru1107 |  2007.06.30(土) 04:02 | URL |  【編集】

こんばんは!

★ kaoruさん、こちらこそちょっぴりご無沙汰してしまい、なかなかおじゃまできなくてごめんなさいっ。
お仕事は落ち着かれましたか? わたしはまだゆっくり映画を見る時間がとれなくて、
更新も超スローペースです(笑)

「主婦マリーがしたこと」、タイトルは聞いたことがありますよ。
残念ながら、わたしも未見ですっ。 「ヴェラ・ドレイク」はまた違ったアプローチだと思いますが、最近あまりないタイプの作品ではないかと思います。
kaoruさんも、またお時間がとれましたらぜひ! 感想きかせてくださいね。
Carolita |  2007.07.01(日) 23:46 | URL |  【編集】

おぉーーー!!これもよいのですね!!
これはすぐさまレンタル探して観たい感じです。ハイ!!!
ジル |  2007.07.08(日) 23:36 | URL |  【編集】

いろいろと・・・

★こちらは考えさせられる部分が大きい作品でした。
ジルさんなら、きっといろんなことを感じられるんじゃないかなぁ。
最近の映画は説明したがるけど、これはそうじゃないから、
見る人によって、いろんなことを想像できるところが面白いと思いますよ。
そのうち感想も聞かせてくださいねっ♪

Carolita |  2007.07.10(火) 22:17 | URL |  【編集】

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