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見ました!「バベル」

2007.04.26 (Thu)

このブログで初めて バベル について触れたのは、昨年5月のカンヌ映画祭の記事でした。 
あれから、約一年。 いよいよあさって 28日 より バベル が日本全国で封切られます。

バベル 』 ( 2006年/アメリカ 原題:BABEL )
【監督】 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
【脚本】 ギジェルモ・アリアガ
【音楽】 グスターボ・サンタオラヤ
【出演】 ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット
     /ガエル・ガルシア・ベルナル/役所広司/菊地凛子
     /アドリアナ・バラーザ他



ことあるごとに、このブログで取り上げてきた作品だけに、映画ファンとしては感慨深くもあり、
また、期待と同時にガッカリしたらいやだなぁ。。。なんて思いながら、
先日、試写会に行ってきました。 さて、その感想は・・・?
(ストーリーのネタバレはありません)

More・・・

バベル を見て、まず最初に強く感じた事は、とても壮大な人間ドラマであると同時に、
群像劇特有の、場面転換の複雑さも兼ね備えていますから、これからご覧になる皆さんは、
想像力をフル稼動させる必要があるかもしれない、ということです。

同時に、いくつかの キーワード を常に頭に思い浮かべながら見るほうが、
その先に起きる出来事全てを、スムーズに受け入れやすいのではないかと感じました。

それは、昨年のカンヌ映画祭で イニャリトゥ 監督が語った、こんな言葉にも表れているようです。

「 これは、観客に説教するような映画じゃないんだ。
タイトルの 『 バベル 』 は、旧約聖書の説話からアイデアをもらったんだ。
人間が、天にも届く “ バベルの塔 ” を建設しようとした事が神の怒りに触れ、
それを中断させようとして、人々の言葉を通じなくした。
神は、人間が会話できなくなるように、それまでひとつだった言語を増やしてしまった。
でも、言葉は障害じゃない。 言葉の壁は簡単に乗り越えられるものだ。
だが、偏見から生まれる溝は、なかなか埋まらない。 その問題を取り上げたんだ。 」





いきなり確信に切り込んだ発言ですが、見終わってこの言葉を思い出した時、
映画の中で起きた出来事の全てが、見事に一本の線でつながっていく快感を覚えたものです。

バベル は、モロッコの荒野で放たれた 一発の銃弾 が広げる波紋を軸に、
4つの国で、それぞれ同時に物語が進行してゆきます。

登場人物は、アメリカ人夫婦、リチャードとスーザン 。
メキシコ人のアメリアと、彼女の甥サンチャゴ。
日本人親子、父ヤスジローと、一人娘のチエコ 。
そして、モロッコ人家族と幼い兄弟たち・・・。

全編を通して印象的だったのは、まるで、焚きたての香の香りが劇場中に充満しているかの
ような錯覚をうながす、シタールの響きにも似た、あの スコア
音楽は、21グラム 』 『 アモーレス・ペロス 』 『 ブロークバック・マウンテン などを
手がけた グスターボ・サンタオラヤ
意識がトランス状態に陥ってしまいそうな無国籍な彼の音楽は、
独特の空気感で観客を圧倒します。




やがて国籍も、言語も、生活環境も違う彼らの前に立ちはだかる、目には見えない同じ
それは、現代に生きる誰もが心の奥底に抱えているものかもしれない、実にリアルなテーマ。

繋がっているようで繋がっていない、不安。 
分かっているつもりで分かっていなかった、恥ずかしさ。
叩いても叩いても響かない、焦り。
求めても求めても、叶わない怒り。

日々ほとんど意識せずに暮らしていても、些細な事で思い知らされる、 の存在。
それを意識してしまった時、誰しも一瞬、谷底に突き落とされたようなショックと、
説明できない孤独に包まれた覚えはありませんか?

『バベル』でイニャリトゥ監督が赤裸々に暴き出した人々の 孤独閉塞感 は、
やるせないほど容赦なく、見る者の心に突き刺さります。
伝わらない ことで、こんなにも、もどかしくてもどかしくて、たまらない気持ちになるなんて。

破裂寸前の孤独を抱えた者は、時に想像だにしない行動に走ってしまうのかもしれません。
その描き方が、胸の内をえぐられるほど強烈に、人間の本能 に訴えかけてくる。

あそこまで、観る側の気持ちの昂ぶりをギリギリまで引っ張れるイニャリトゥ監督は、
やっぱりスゴイ。 その辺は、デビュー作 アモーレス・ロペス の頃から
原点がぶれていない気がします。
→関連過去記事「2006カンヌ映画祭&「アモーレス・ロペス」レビュー」へ

そして、わたしにはどうしても忘れられないシーンがありました。
あえて詳しく書くのを控えますが、極限状態で魂と魂が交わる のを
あんな風に見せられたのは、生まれて初めて。
人と人が本当に心を求め合おうとした時は、理屈の前に体が反応してる。
きれいごとなんかじゃない、凄まじい究極の愛の表現を目の当たりにした時、
わたしは一瞬たりとも視線を外せないほど、大きく心を揺さぶられました。

絶句するほど激しくて、切なくて、それでも人は誰かを求めずにはいられないんだとー。





この世界には、無意味な壁 が山ほどあるように思えてなりません。
それは、決して 神が隔てた わけではなく、人間の心が隔てた 、この世の愚かしさ。

もっと早くそれに気がついてさえいれば。 
もっと早く分かろうとさえしていればー。

わたしたちにはきっと、まだ防げる悲劇があるのかもしれません。


バベル は、現代に生きる世界中の人々へ、現代のバベルの塔 から発せられた、
鬼才イニャリトゥ監督からのメッセージ。
「 コミュニケーション不足 」 という言葉だけでは切り捨てられない、とても奥深い作品です。
正直、決して一般受けする作品ではないと思います。
中には、違和感を覚える方もきっといらっしゃることでしょう。
ですが、見ればきっと貴方の心の何かが変わる作品だと思います。
これはそんな、とてもとても力強い一本です。


最後に、どうしても書いておきたいことがあります。 それは 菊池凛子 さんについて。 
泣けてくるくらい、彼女が本当に本当に本当に良かった!! 
こんなに力のある女優さんが日本に存在していることを誇りたい。
本当は彼女に感動したことを、10ページくらい書きたいほどですが、そこはジッとガマンガマン(笑)
彼女をひとりでも多くの皆さんに見てほしい気持ちでいっぱいです。

いよいよ、あさってから公開される バベル
さぁ、貴方はスクリーンで見ますか? それとも、DVDまで待ちますか?(笑)

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テーマ : DVDで見た映画 - ジャンル : 映画

12:07  |  アメリカ映画  |  Trackback(2)  |  Comment(12)

Comment

やっぱり…

話題の映画、それが国際的に注目を浴び、しかも出演者の演技が評判になっているとなると、公開前、早くからその映画が気になりますよね。しかし、待たされすぎて結局観なかった映画がいくつもあります、私の場合。「バベル」もその一つになりかけていましたが、Carolitaさんの記事を読んで、やっぱり菊池凛子の演技は見ておきたいな。と思うようになりました。ただし、GW中は劇場に行けそうにないし、その後も行けるかどうかわかりませんが、チャンスがあったら行きたいです。
オルサ |  2007.04.29(日) 18:11 | URL |  【編集】

★オルサさん、この作品は前宣伝に比べて、かなり票が分かれるのじゃないかなぁ。
ですが「アモーレス・ロペス」にひきこまれたオルサさんならば、
きっと感じることがたくさんある気がしますよ。
特に、菊池凛子はぜひ見てほしい! 正直、そこまでは期待していなかったわたしなんですが、
日本人女優という見方なんて愚かしいほど堂々としたものでしたよ! お時間があればぜひ!
GWは、映画館も人が多そうですよねぇ・・・っ。
「クィーン」行きたかったけど、そちらも明けてからになりそうです(笑)
Carolita |  2007.04.30(月) 13:14 | URL |  【編集】

ちょっと、かなりというか、絶対観に行こうと思いましたよ、carolitaさんの記事読んで!!内容もとても興味深いです。こういう映画はたくさんの人に観て、感じてもらいたいですよねー。観たらまた日記に書きます★
ジル |  2007.04.30(月) 21:14 | URL |  【編集】

★ジルさん、こんにちはっ♪
プププッ、またコッチにひきこもってましたっ(笑)

一筋縄じゃいかない作品ですが、奥が深いですよ「バベル」は。
何かを感じたい!と思うジルさんなら、きっとグッとくるシーンがいっぱいあると思いますよ!
あっ、ニュースで出てましたけど、あるシーンの電光がチカチカするところを
暗い劇場で凝視していた観客の方が、気分が悪くなったんだそうっ。
あの、いつかの「ポケモン」を見ていた子供たちが具合が悪くなった時みたいに。
ご覧になる時は、気をつけてくださいねっ。

わたしは昔のディスコで鍛えられていたせいか、ぴんぴんしてましたっ。
ええっ? それならお酒が強くてクールなジルさんも同じって? 恐れ入りました(笑) 
ジルさんの感想、楽しみにしていますねっ♪
Carolita |  2007.05.01(火) 14:22 | URL |  【編集】

お久しぶりです!

ここ一ヶ月体調を壊していたペッタンコです。
バベル、見たいんですけどなんか重そうで…
体調が万全になって心も健康になったら行きたいと思います。
ペッタンコ |  2007.05.03(木) 02:19 | URL |  【編集】

良かったっ!

★ペッタンコさん、無事でよかったっ(ほっ)
実は、とても心配していました。更新されていなかったのでお忙しいのかな?と
思ってはいたのですが、やっぱり気になって・・・っ。
PCに向かえるようになったことだけでも、少しは回復されたのでしょうか。
どうか無理はしませんように!GWは安静になさってくださいねっ。

ぷぷぷっ『バベル』。。。
心も体も元気になってからご覧になられたほうがいいです。
いろんなこと、考えちゃいますからっ。
今はダメダメですよ。 復活されたら、ペッタンコさんの感想聞きたいな。
DVDでてからでも、いつか楽しみに待ってます。 
Carolita |  2007.05.04(金) 12:08 | URL |  【編集】

こんばんは!

私も見て参りましたっ。
相方の実家に帰っていたのですが、ようやくレビューアップしました。
Caroさんと同じく、ずーっと前から公開を待っていたこの作品。
なんだか、意図しない所で話題になってますねぇ。
いろいろと思うところはあるのですが、個人的には好きな作品です。
そうそう。菊池凛子さん、素晴らしかったですよね!
その他のキャストも皆素晴らしいのですが、菊池さんは予想を遥かに
上回る存在感でした。
Nyaggy |  2007.05.05(土) 22:37 | URL |  【編集】

★Nyaggyさーん、おお~、アップされたんだぁっ!さっそくおじゃませねば!
わたしたち首を長ーくして待っていただけに、Nyaggyさんも劇場ではじまるまで
ドキドキされたんじゃないかと想像しちゃいましたっ。

ええっ?ということは、やっぱりアレ。。。ですかね??(笑)
まぁ、仕方がないといえば仕方ないですが、凛子さんはホント良かったですよね~。
それからそうそう、他のキャストもみんなかなり気持ちが入ってましたよね。
ブラピなんか、近年一番良かったんじゃないかなぁ~??
ただTVスポットの打ち出し方とは、正直ギャップを感じちゃいますよねっ。
Carolita |  2007.05.06(日) 19:27 | URL |  【編集】

コメントありがとうございました。

忘れられないシーンって、あのシーンかな?
日常では、家族といえども、その人のキャラクターとか社会的な意味合いで関わりあってしまうことってありますよね。妻や母や夫や父など、役割の範囲内で接しあってしまうみたいな。でも、目の前にいる「身体」として、なんの意味付けもなしに触れ合うことって大切なんだなぁ~と、しみじみと思いました。

楽しいブログですね。また遊びに来ますね!
c.mama |  2007.05.07(月) 12:12 | URL |  【編集】

★ c.mama さん、お越しくださって感激ですっ!ありがとうございますっ♪
はい、たぶん思っていらっしゃるシーンだと思いますっ。
ちまたでは、不評のようですが・・・(笑)

距離が近くなればなるほど、共に過ごす時間が長くなればなるほど、
そうですよね、お互いを個々の「身体」として触れ合うことが難しくなってしまう
ことってあるように思います。
その意味でも、あのシーンは究極の形だったんじゃないかなぁ~なんて、
すごく印象に残ってしまいました。

こちらこそ、またおじゃまさせて下さいっ。今後ともよろしくお願いいたします!
Carolita |  2007.05.07(月) 23:39 | URL |  【編集】

こんばんは。試写会に行かれたなんて、うらやましい・・・。
観たので、トラックバックさせていただきますね^^

'無意味な壁'・・・ほんとうにそうですよね。
なんで、人間は理解しあえないんでしょうね。
難しい・・・。
まき |  2007.05.24(木) 23:16 | URL |  【編集】

お返事遅くなりましたっ。

★まきさん、すっかり留守にしてしまってスミマセンっ!ただ今戻りましたっ。
おお、ご覧になられたのですね! コメント&T/Bありがとうございますっ♪
いえね、そんなに試写会当選率高くないんですよっ。
地方は東京に比べても回数が全然少ないみたいなので、今回は棚からぼた餅!って感じでした。

そうですよね、いろんなことを考えさせられる映画でしたよね。
きっと見る側の経験や記憶によっても、捉え方が様々なんだと思います。
ひとりひとりが違う個性をもっていることは尊いことと同時に、
世界を複雑にしてしまっているのかもしれませんよね。
なんだかその矛盾を思い知らされた気もしています。 
Carolita |  2007.05.26(土) 22:06 | URL |  【編集】

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ケイト・ブランシェットケイト・ブランシェット(Cate Blanchett,1969年5月14日 - )は女優。オーストラリア、メルボルン出身。1992年にオーストラリア国立演劇学院|国立演劇院を卒業後、舞台女優として活躍。『Kafka Dances』でシドニー演劇協会ローズ
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