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『 ツオツィ 』

2009.09.13 (Sun)

今週末も、世界の映画祭の話題が目白押しですね。
昨日閉幕した ベネチア国際映画祭金獅子賞 に輝いたのは、
サミュエル・マオズ 監督のイスラエルの戦争映画 レバノン だそうです。

そして、現在開催中の トロント国際映画祭 では、
64カ国から集められた330本以上の作品が連日上映され、
早くも今年の ピープルズ・チョイス・アウォード の行方が気になります。
そこで今日は、2005年度の受賞作をピックアップ。

つおツォツィ
( 2005年/南アフリカ/イギリス 原題:TSOTSI )

【監督】 ギャヴィン・フッド
【原作】 アソル・フガード
【脚本】 ギャヴィン・フッド
【音楽】 マーク・キリアン/ポール・ヘプカー
【出演】 プレスリー・チュエニヤハエ/テリー・フェト
     /ケネス・ンコースィ/モツスィ・マッハーノ
      /ゼンゾ・ンゴーベ/ZOLA
     /ジェリー・モフケン/イアン・ロバーツ







同年の アカデミー賞最優秀外国語映画賞 にも輝いた本作は、
わたしにとって、たまらないほど魂を揺さぶられたお気に入りの一本です。

さて、それは・・・?

More・・・

舞台は、南アフリカ ・ 旧黒人居住区ソウェト。
そこは、赤く染まった夕暮れ時の西日差し込むスラム街の一室。

「 もう一度振れ 」
「 11だ! 」
「 11? 9 だよ 」
「 4 と 5 で 9 だ  11 じゃない  もう一度だ 」
「 やめた 」
「 ツォツィ 今夜は何する? 」
「 そうだよ どうする 」


ダイスを転がしながら賭けに飽きたひとりが、ふと窓際に佇む背中に声をかける。
鋭い眼差しで無言のまま振り向いた、彼の名は、通称 ツォツィ

つお3


自らを ツォツィ = “ 不良 ” と呼ばせ、スラムのギャング仲間を牛耳る青年の
本当の名前を知るものは誰もいない。

そんなある雨の日、ツォツィ ( プレスリー・チュエニヤハエ ) は、
ひとりで高級車に乗る黒人女性を銃で襲撃し、車を奪って逃走します。

しかし、その後部座席には、まだ生まれたばかりの赤ん坊がいて・・・?



人が人に対して優しさ という感情を意識するのは、一体いつ頃からでしょう。
定義上は、きっともっともらしい説があるのだと思うけれど、たぶん初めての体験というのは、
親から与えられる無意識の無償の愛情 なのかもしれません。

幼い頃から孤児同然に生きてきた ツォツィと仲間達 は、虫けらのように人を殺すことができる。
己が食うために金が必要なら他人から奪い、邪魔する者は容赦なく叩きのめす。

それは、欲のためでも快楽のためでもなく彼にとってはごく当たり前のことで、
まるで狩りをする肉食動物と同じように、本能 がそうさせているかに見えました。
そこにはもちろん、いわゆる人間らしい感情や理性などは存在していないのです。

それが突然の赤ん坊との出会いによって、
ツォツィ の心の中に今まで感じたことのない、新しい感情が芽生えます。

たった今人を傷つけたその手で、
目の前で泣く小さな命を思わず抱き上げてしまう矛盾もまた、本能 なのでしょうか。

それは、生まれて一度も誰かに愛されなかった青年が、
己の内側から無意識に湧き上がる優しさという人間らしい感情に
ふいに突き動かされた瞬間だったのかもしれません。

つお6

この作品の背景が知りたくて、現在の南アフリカ について少し調べてみました。
アパルトヘイト政策 は、1994年 に行われた、初の全人種総選挙によって完全撤廃されるまで、
世界中の非難を浴びながら 45年以上施行され続けました。

特に、それによって生み出された働き盛りの 若者間の教育格差 は根深いそうです。
職種の選択を狭められ、就職率に大きな影響を及ぼし、撤廃から 14年経過した今も、
大幅に社会の仕組みが変わらないまま、自由競争を生き抜いていかなければならないといいます。

つお4

かといって、簡単に人を傷つける行為を決して肯定することはできないはずなのにー。

それを百も承知の上で、ツォツィ の真っ直ぐな瞳は、
ズシンと、わたしの心のど真ん中に訴えかけてくるのです。

「 人が人らしく生きるために、必要なことは何なんだー? 」


つお5



貧困、HIV、教育格差、治安の悪化・・・と、
現在の南アフリカが抱える社会問題を赤裸々に、時には息を呑むほどの緊張感を漂わせながら、
名もなきひとりの青年の感情の再生を力強く描いた本作は、
まさに観た人が心を動かされずにはいられない、 ギャヴィン・フッド 監督の渾身の一本。


後味は、すべてを見届けたような、なんともいえない不思議な安らぎに心が満たされて、
その後、2回もDVDを観てしまったほど、心の底から感動したのでした。

まだ未見の貴方は、ぜひ一度ご覧になってみてください。

ツォツィ 、とても素晴らしい作品です!

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テーマ : 心に残る映画 - ジャンル : 映画

17:07  |  その他の国の映画  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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