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「スラムドック・ミリオネア」

2009.05.11 (Mon)

「 求め続ければ、その先にきっと答えはあるー。 」


みりおスラムドック$ミリオネア
(2008年/イギリス・アメリカ 原題:SLUMDOG MILLIONAIRE)
【監督】 ダニー・ボイル
【原作】 ヴィカス・スワラップ
【脚本】 サイモン・ボーフォイ
【音楽】 A・R・ラフマーン
【出演】 デヴ・パテル/マドゥル・ミッタル/フリーダ・ピント
     /アニル・カプール





やっと観に行ってきました!(多少ネタバレあるかも)

さて、その感想は・・・?


More・・・

そこは、コンクリート壁に囲まれた、失神しそうなほど蒸し暑い取調室。

もうろうとした意識の青年に詰め寄る警官は、容赦なく彼を痛めつけ、
こう、ささやきます。

「 さぁ早く吐いて楽になれ。 一体どんなインチキをしたんだ? 」

「 インチキじゃない。答えがわかったんだ・・・ 」


「 クイズ $ ミリオネア 」 で全問正解し、史上最高の賞金を勝ち取った、ジャマール
それは、学校にも通えなかったスラム育ちの青年が一夜にして手に入れた、
まるでウソのような幸運。
インド全土が熱狂し固唾をのんで見守った、その 奇蹟 の真実とは・・・?

すらむどっく



「 ファイナル・アンサー! 」 と聞いただけで、
自宅のお茶の間でTVを見ているような、おかしな感覚におちいったのも束の間、
一転、カメラがローラーコースターのようにスラム街の路地に迷い込んだとたん、
目の前に広がる リアル・インド の勢いに、わたしの五感は高揚し、
すっかり飲み込まれてしまいました。

兄サリーム弟ジャマール の幼年時代は、首都がまだ 「 ボンベイ 」 と呼ばれていた頃。

ひらめく色とりどりのサリーをまとった女達は洗濯場に集い、
アルミ板の粗末な屋根がひしめくその下で、耳で聴く 『 三銃士 』 の世界に夢をはせ、
埃っぽい街の空気を胸いっぱいに吸い込んで、それでもゴミ山で楽しそうに笑う子供たち・・・。

焚いた香と独特のスパイスと汗とが入り混じった、酸いた匂いを醸しそうなリアルな映像と
最高にエキサイティングなアジアン・モダン・サウンド。

イギリス人の ダニー・ボイル 監督 と
インドの至宝 ・ A.R.ラフマーン がガッチリとタッグを組み、
その2つを見事に融合させて生み出した、スクリーンからほとばしる 躍動感と疾走感 は、
当時、急速な経済発展による人口増加で、破裂寸前のエネルギーを抱えていたその街を
とてもパワフルに表現していたと思います。


大英帝国・植民地時代からの呼称 「 ボンベイ 」 から、
インド国内のナショナリズムの高まりによって現地表音 「 ムンバイ 」 に変更されたのは、
1995年のこと。 まだ幼い兄弟が、ただ生きるためだけに全力で駆け抜けたのは、
街が、時代が、大きく変わろうとしていたそんな端境期でした。




何処行きかも分からぬ列車の屋上で、不安と恐怖に黙り込んでしまった 弟ジャマール
精一杯の笑顔で振り向いた 兄サリーム は、こう声をかけます。

「 もう忘れてしまえ さあ、行こう! 腹ペコだ! 」   

たとえ絶望の淵に立っていたとしても、人間だから腹がすく。 
幼い兄弟は、今この瞬間、生きている ことの喜びを実感したに違いありません。
どこまでも続く線路の先には、きっと幸せが待っていると信じて。

やがて2人の成長とともに、あんなに支えあって生きてきた兄弟が、
袂 ( たもと ) を分かつ時がやってきます。

どんな時もたった一人の弟を守り続け、
現実に身を投じることしかできなくなっていた兄にとって、
ただ一途な愛のために身を投じる弟が、どんなにうらやましく憎らしい存在だったことか。



この物語は、単なるインドの貧しい青年の純愛サクセス・ストーリーとは思えませんでした。

過酷で非情な現実を目の当たりにした時、
明日の未来を手に入れるために、人は何を大切だと感じ、何を求めるものなのか?

「 裏 」 の世界で “ 力と金 ” を手に入れて ミリオネアになった 兄 と

「 表 」 の世界で “ 夢と愛 ” を手に入れて ミリオネアになった 弟 。


そんな対照的な兄弟の行く末を、オープニング・ロールは既に暗示していたかのよう。


なにか起こった時、それをただの だと笑いとばすのか、運命 だと信じるのかー。
案外、人生はそんな考え方ひとつで大きく変わっていくものかもしれません。

わたしの感じた スラムドック・ミリオネア は、
スラムドック (= スラムの野良犬 ) と揶揄されながらも、
変わりゆく時代を全力で駆け抜けた、ある兄弟の光と影の青春ストーリー。


最後に ジャマール を追うことをためらう ラティカ に、
兄サリーム が言ったこんな言葉が、とても印象的でした。

「 あいつは絶対あきらめないー。 」

たとえ子供の頃に戻れなくても、弟のことをこの世の誰よりも一番理解していた兄の思い。
純愛サクセス・ストーリーそのものに感動する気満々だったわたしは、思わぬツボに涙がホロリ。

「 ひとりはみんなのために。みんなはひとりのために。 」
わたしも昔、夢中になって 『 ダルタニヤン物語 』 を全巻読破した記憶があります。
あの三銃士のように助け合い、夢と勇気を胸に掲げ、威風堂々生きたいと憧れる気持ちは
子供たちにとって万国共通の願いなのでしょうね。

100年に一度の不況といわれる今、アカデミー賞で 8冠 という驚異の支持を得た本作は、
“ 時代 ” が悪いと嘆くより、自分の未来を切り開く舵取りは、
今それぞれの手にゆだねられていること を力強く物語ってくれました。

“ 幸せ ” を求め続ければ、その先にきっと “ 答え ” があると信じてー。




banner_02.gif


→ 関連記事2008.11.16 「 注目の一本!スラムドック・ミリオネア 」




テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

22:20  |  イギリス映画  |  Trackback(2)  |  Comment(6)

Comment

やっぱりCarolitaさんだ!
そう思いました。というのも、この映画をまだ観ていないにもかかわらず、すでに何人かの「観終っての感想」を読んでしまっている私。映画への賞賛はどの方もだいたい共通しているようですが、Carilitaさんの文章が特別なのは、読んでいくと描写された部分が映像となって見えてくるように感じられ、さらに、監督や制作者がこの映画で伝えたいと思っているだろう根っこの部分にも触れておられるという点。

益々観たくなりました。
オルサ |  2009.05.12(火) 01:16 | URL |  【編集】

★オルサさん、こんばんは。
あはは!やっぱり私っぽいですか?(笑)
さすが~よく分かってくださってる!

そうですね~、感想って本当に人それぞれで面白いですよね。
観て感じた感覚に一番近い言葉を使って自分の表現で書きたいという気持ちが
こんな文章になっていると思うのですが、一方では主観が強いかな?とも
感じているのですよ。

拙い表現ですが、オルサさんが映像が見えてくるようだと感じてくださったことは、
わたしが劇場で感じたことが少しでも伝わった気がしてとても嬉しいです。
ありがとうございます。

とても前向きな気持ちになれる作品でした。
お時間がありましたら、ぜひご覧になってみてくださいねっ。
Carolita |  2009.05.12(火) 23:17 | URL |  【編集】

こんにちは

こちらにもコメントを。

この作品の持つエネルギーや疾走感に焦点をあてている方が
多い中で、Carolitaさんがサリームの事を多く取り上げて
下さっているのが、なんだか嬉しいです。実は、終盤で一番
気になっていたのが、サリームの辿る運命のことでした。

サリームがラティカに言った台詞、私も好きです。
二人の道は全く違ってしまったけれど、最後まで彼は
ジャマールの事を一番に理解してくれていたんですよね。
それを思うとちょっと切ないけれど、とても爽やかで
幸せな気持ちになる作品でしたね。
Nyaggy |  2009.05.14(木) 13:13 | URL |  【編集】

★Nyaggyさんもやっぱりそうでしたか!
ええ、わたしもずっとサリームのことが気になってしまって。

どんな経験も無駄なことはひとつもなく
未来につながっているのですね。
あのラストシーンの後、ジャマールは兄の辿った運命を聞いてどう思うだろうとか、
観終わってぼんやりとそんなことを考えるとちょっと切なくなったり。
だけど久々に活き活きとした作品に出会えてダニー・ボイル監督を好きになりました。
他の作品も観てみますね!
Carolita |  2009.05.16(土) 15:21 | URL |  【編集】

こんばんは

ご覧になったんですね~。
KBC満席じゃなかったですか?
私が行った時は、両サイドと後ろに
補助いすが出てましたよ~。
(すいません、地域ネタで・・・笑)

あの兄がいなかったら、生きてこれたか
わからないので、ラストに見せる兄の愛情が
切なくて、私も泣けました!
ただ、期待が大きかったせいか
思ったより、さらっと終わってしまったなぁ~と
感じました。
あんなに数々な悲惨なめにあいながら、
主人公が、あまりに純粋で明るく一途な
せいなのかもしれませんが・・・・(笑)
ルナ |  2009.05.19(火) 00:01 | URL |  【編集】

★ルナさーん、お返事遅くなってしまってごめんなさいっ。
GW前に観に行ってきましたよ~、KBCシネマに!
そうそう、すごい人出で、補助椅子がたくさん出ているのを初めてみました。
多い時は整理券も配るんですね! 勉強になりましたよ(笑)

確かにジャマールは真っ直ぐすぎるくらいでしたねっ。
トレーラーで何度も一番オイシイところが流れているから、
わたしもそこはかなりサラッと過ぎてしまって、少し物足りない感はありました。
いつも思うのですが、最近の予告は見せすぎだと思いませんかっ?
あっ、わたしも楽しみだったあまり予習しすぎたのも反省っ(笑)
Carolita |  2009.05.23(土) 14:20 | URL |  【編集】

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2009/05/19(火) 00:02:43 | ルナのシネマ缶
監督:ダニー・ボイル 脚本:サイモン・ビューフォイ キャスト:デーヴ・パテル フリーダ・ピント マドゥル・ミッタル アニル・カプー...
2009/05/14(木) 13:01:46 | And life goes on

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