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『 クィーン 』

2009.08.30 (Sun)

短い夏も終わりに近づき、8月もあと1日となりました。 
今日は、衆議院選挙の日 ですね。 皆さんはもう投票に行かれましたか?
そして、明日 8月31日 は、ダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズ の12回目の命日。
今年は、ズバリこの作品をピックアップします!

クィーン ( 原題:THE QUEEN )
( 2006年/イギリス/フランス/イタリア )
【監督】 スティーヴン・フリアーズ
【脚本】 ピーター・モーガン
【出演】 ヘレン・ミレン/マイケル・シーン
     /ジェームズ・クロムウェル
     /シルヴィア・シムズ
    /アレックス・ジェニングス


ダイアナ元妃 が大好きだったわたしは、
実は観ることをためらっていたんです。
ところが・・・?





More・・・

時は、1997年5月。
物語は、二大政党制の英国で、労働党 が長期政権を握っていた 保守党 に大勝し、
政権交代 を果たすところからはじまります。

新首相に就任したのは、43歳の トニー・ブレア 氏。
今世紀最年少となる首相誕生に湧きたつ国民を静かに見守る人物こそ、
現英国女王・エリザベス2世 その人でした。

そしてやってきた運命の日、 1997年8月31日
ダイアナ元妃がパリで事故死 した速報は世界中を駆け巡ることとなり・・・?




今から12年前の英国で、たったひとりの女性の死が
伝統ある君主制の存続を脅かす事態 へと発展しかけた事実がありました。
この作品は、その激動の一週間を描いたもの。

製作にかかわった映画関係者は、かなりのチャレンジャーですよね(笑)
エリザベス女王やチャールズ皇太子、ブレア首相など、登場人物はご存命の方ばかり。
飛び出す赤裸々な会話は、そんなセリフを言わせていいの?と観ている側が心配になるほど。

さらに、生前のダイアナ元妃本人の写真や映像 がふんだんに使われるという生々しさは、
並みの映画にはありえない張り詰めた緊張感を創り出し、観る者を釘付けにしてしまいます。

全世界にあれほど配信されていた英国王室のスキャンダルを少しでも耳にしたことがあったなら、
よくぞあんな実話を映画にできたものと、その勇気に感心せずにはいられないはず。

しかし、この作品は決してゴシップへの興味本位で作られたのではありません。

なんといっても、エリザベス女王になりきった ヘレン・ミレン の圧倒的な存在感。
野次馬感覚で観はじめた観客の好奇心さえ、その足元にひれ伏させてしまう見事な姿は、
全製作陣が タブーに挑んでまで描きたかった強い思い が象徴されていたかのようでした。

クイーン6


ダイアナの死に対し、口を閉ざしたままの エリザベス女王
メディアが先導する悲しみのムードは、日ごとに集団ヒステリーのように広がって、
英国中に王室批判の嵐を巻き起こします。

一方、慣例にとらわれず早々に声明を発表した ブレア首相 の人気は高まるばかり。
就任したての首相は新聞を見るたび一喜一憂し、
国民感情の代弁者のごとく女王への進言を繰り返すのでした。

2人の間に横たわるのは、それぞれの立場から見た相容れることのない 感情 の隔たり。
観客は、映画を見ながら互いの主張に納得し、果たしてその距離を埋めることができるのかと
固唾をのんで見守るしかないのです。

それはまるで、
「 伝統 」×「 革新 」 をテーマにした、知的で緊迫感漂う、高潔なディベート合戦
見ているような感覚でした。


変わりゆく時代の中で、「 古き良き伝統 」 を守り続けることの意味 とは何なのでしょう。
映画で使われたダイアナ本人のインタビュー映像の中に、こんな言葉があります。

「 “ しきたり ” に従わず、頭でなくハートで動くのがわたしの悪いクセなんです。 」

そう語るTV画面の中の彼女を、少し不思議そうにじっと見つめるエリザベス女王・・・。

王室を離れた後も、プリンセス・オブ・ウェールズの称号を認められたダイアナの言葉に、
人々は、愛しいほどの人間味と親近感を覚えたことでしょう。

しかし、27歳で即位して以来、国民を愛し、国民に全人生を捧げてきた女王にとって
君主が “ ハート ” で行動するという行為は、理解しがたいことだったのかもしれません。

クイーン2


何代にも渡って守り受け継がれた “ 伝統 ” は、国家と国民の財産 だと思います。
しかし、受け継ぐ次の世代がその意味を理解し、価値に気がつき敬意を払わなければ、
心の通わないただの決まりごと になってしまう。

「 伝統 」 と 「 変革 」 の間で、深く深くひとり静かに苦悩するエリザベス女王の姿は、
時代の荒波を生きるわたしたちの心に、守るべきものの意味 を問いかけているようです。

やがてブレア首相は、女王が国民に寄せる絶対的な信頼と愛を知ることになります。

未熟な変革論者が、王室400年の歴史を背負う君主の 覚悟信念 に圧倒され、
一国民として大きく心を揺さぶられる様子は、観ていて身震いするほど、潔くて気持ちいい。

衝撃のスキャンダルからはじまった実話を、いつの間にかその国の未来のために、
対話によって 「伝統」 と 「変革」 の調和を成し遂げた知られざるフィクション へと
転換させた ピーター・モーガン 氏の脚本の素晴らしさには、
久々に唸るほど感動してしまいました。

クイーン


さらには、過剰な王室批判の背景 に目を向けることも忘れてはいません。
変革を求めながら、英国民の潜在意識の中に脈々と息づく 負の継承 の影、
つまり、王政と議会をめぐるギロチンの革命の歴史に根付いた国民性までも匂わせる
シカにまつわるエピソードも、実に気高く細やかな演出で美しい。

観終わった後、これはまぎれもなくエリザベス女王を讃えた映画だと気づくことでしょう。
世界に誇る英国の伝統を、自らの決断で 進化 させた偉大なる女王に、
最大の愛と敬意を捧げた英国らしいウィットに富んだ名作だと思います。


クィーン は、 伝統とは変わりながら守られていくもの だということを、
圧倒的なリアリティで語ってくれる、知的で気品に満ちたエキサイティングな一本。

ただ・・・、最後にひとつだけ疑問が。
女王を讃えつつ、これを観ればダイアナがどれほど世界中の人々に愛されていたかを
誰もが思い知らされるはず。 はて、 影の “ クィーン ” は一体誰なのか・・・?

そんなミステリアスな余韻も残す クィーン、やっぱりスゴイ映画です!



さて・・・話は戻り、今日は 衆議院選挙 の日。 日本では歴史に残る1日となるかもしれません。
明日の未来のために、 「 変えたいことと守りたいこと 」 をしっかり見極めて、
わたしの意志を一票に込めたいと思います。
新しい時代への舵取りは、わたしたち国民の手にゆだねられているのですから!

→ 関連記事2007.7.27 『 十二人の怒れる男 』 レビューへ

→ 関連記事2009.6.7 『 ある公爵夫人の生涯 』 レビューへ

→ 関連記事2005.8.30 『 ダイアナ妃の命日 』へ


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テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

15:22  |  イギリス映画  |  Trackback(0)  |  Comment(2)

Comment

この映画観ました。
本物の女王が、実際に演技してるようでした。
鹿を自分ORダイアナ妃にたとえているところがすごかった。
エルメスのスカーフも女王がしてると貫禄でしたね。!
本国イギリスではダイアナ妃はあんまり人気なかったようでチャールズの方に同情する人が多かったとか。・・・
「ブーリン家の姉妹」も興味深いですよ。
エリザベス1世のお母さんのお話しです。
数奇な運命でエリザベス1世として君臨するなんてさすが英国女性は強いです。!
ピスタチオ |  2009.09.02(水) 11:32 | URL |  【編集】

★ピスタチオさん、こんにちは!
すっかりお返事が遅くなってしまって申し訳ありませんっ。
やっと落ち着いてPCを開いているところです。

ご覧になられましたか!
そうですね、本物のエリザベス女王みたいで、ご本人の感想が気になるほどでした(笑)
エルメスのスカーフ、とてもさりげなくて貫禄ものでしたよね!
『ブーリン家の姉妹』は未見なのですが、予告を見てとても気になっていました。
ケイト・ブランシェットの映画版とヘレン・ミレンのドラマ版でエリザベス1世は
かなり網羅しましたので(笑)、今度はお母さんのお話もぜひ見てみますね!

英国だけでなく日本もそうですが、昔の女性は時代がそうさせたのかもしれませんが
今とは違った“強さ”があり、生き方に魅かれます。なので、時代物は大好きなんですよ。
Carolita |  2009.09.07(月) 15:23 | URL |  【編集】

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