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「地球は女で回ってる」

2005.11.05 (Sat)

久々に ウディ・アレン ものを観ました。
ビデオ屋で邦題につられて手にとったら、彼の作品。
それにしても、なんで?? 変な邦題、考えたもんだ。

地球は女で回ってる ( 1997年/アメリカ 原題:DECONSTRUCTING HARRY )

【監督・脚本】 ウディ・アレン
【出演】 ウディ・アレン/ エリザベス・シュー/ ジュディ・デイヴィス
     / ビリー・クリスタル/ ヘイゼル・グッドマン/ デミ・ムーア
     / スタンリー・トゥッチ/ ロビン・ウィリアムズ/ トビー・マグワイア





さて、その中身は・・・?

More・・・

3度の離婚経験あり。
それでも 女が命 の人気ベストセラー作家、ハリー ( ウディ・アレン )
彼の小説は、全て彼の 前妻、愛人、親兄弟、友人達
赤裸々な日常をモデルにしたフィクション。
書く方は、本が売れていいけれど、
書かれた方は、自分がモデルと気がついて逆上し、怒鳴り込んでくる始末。
しかし、最近の ハリー は、私生活もパッとせず、すっかりスランプ気味。
新作を書くことができません。


そんなある日、昔、彼を追い出した大学から、作家としての業績を讃え 表彰 したいと連絡が。
身近な人々の過去を、手当たり次第、小説のネタにして大ひんしゅくを買っていたハリーには、
一緒に表彰式へ行ってくれる人もいません。
せめて、一人息子 にはいいところを見せたいと、前妻に頼んでも大反対。
そこで表彰式当日、ハリー は強行手段にでるのですが・・・?


とにかくセリフが多い! 途切れることなく、次から次へとまくし立てる。
よくもまぁ、それだけ理屈をこねられるものだと感心していると、
いきなり、ハリーの 小説の世界現実の世界 が混同して、何が何だかよくわからなくなる。
小説の中の架空の人物として登場したのは、 トビー・マグワイア デミ・ムーア
そして最後まで ピンボケ したままの ロビン・ウィリアムズ には、笑えました。
観ているだけで酔いそうになったけれど、本人は楽しそうでゴキゲンな感じ。
このキャスティング自体、かなりナゾが多い~(?)。


そのうち、小説の創作人物達 が彼の目の前に現れて、ハリーお説教 を始めます。
う~ん、このあたりは カイロの紫のバラ を彷彿とさせる展開です。
( 『 カイロの紫のバラ 』 のレビューは ココ をクリック! )
そして、これもお得意ですね。 お気に入り映画の名場面パロディが続々登場し、
映画ファンをめいいっぱい楽しませてくれる演出の数々。
そんな、すったもんだの末、ハリーは 人生のひとつの答え を導き出す・・・のですが、
まぁ、とにかくそこにたどり着くまでの過程が、実に回りくどくてワケが分からないけど、
憎らしいほど ウディ・アレン流

この映画の原題は DECONSTRUCTING HARRY
直訳すると 「DECONSTRUCTING(ディコンストラクティング)=解体する」 という意味ですね。
つまり、何を解体するのかというと、
ハリーの 私生活 だったり、小説 だったり、“ 思い込み ” だったり
するわけですよ。 
 頭が固くなったら、
  一度分解して、細かいカケラの一つ一つを見つめ直すと、
  新しい答えがみつかるかもよ
みたいな感じ。


半ば、困惑状態で観続けた1時間20分後、そのメッセージが語られるラスト10分では、
結局また、してやられてしまいました。 目から思わずウロコ!

そこで思いました。
「なんだ、アレン監督はこの10分が描きたくて、この映画を撮ったんだわ~、
ホントに素直じゃないんだから(笑)」


ウィット無くして会話なし、ブラックユーモアたっぷりの社会風刺は、今や彼の十八番。
真面目でお説教くさいメッセージを、ストレートに描くのが照れくさくて恥ずかしくて、
あの手この手を使って ピンボケ (笑) させてはみたけれど、私には分かりました。
アレン監督、“ ハリー ” は、貴方の 分身 だったのでは?



カイロの紫のバラ では、映画ファンの夢をかなえてくれました。
DECONSTRUCTING HARRY ( ここはあえて原題で書きます ) では、
映画は 想像して楽しむもの と、ダメ作家の言葉を借りて語りかけてくれた
ウディ・アレン監督

あっ、でも本当は,そんな難しいこと考えて撮ってなかったかもしれませんね。
でもでも、いいんですよ、気にしないで下さいな。 私が勝手に想像して楽しんだだけですから(笑)。

だって、貴方がおっしゃるとおり、映画なんて所詮は 虚像。 
「だからこそ、愛しくて仕方ないー。」  ねっ、監督も、そう思うでしょ?(笑)




♪ 『 ウディ・アレンの映画 』、好きですか?
    ↓

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テーマ : オススメ - ジャンル : 音楽

16:07  |  アメリカ映画  |  Trackback(2)  |  Comment(2)

Comment

天才なんだから、そんなに照れなくてもいいんじゃない?
って思うくらい照れ屋さんですよね!
でも、サービス精神満載でやはりすごい監督ですね。
わたしは、元妻のミア・ファーローのファンです。
なんだか不思議な魅力ですよね。

この映画に出ているビリークリスタルも大好きです。
なんかこういうの好きなんだ~
べぶ |  2005.11.06(日) 22:47 | URL |  【編集】

べぶさぁ~ん♪

★こんばんはぁ。やっぱり、べぶさん好きだったわぁ。
ウディ・アレン監督には、ずっと現役でがんばってほしいな。
ミア・ファローも素敵ですよねっ。
たしか昔、べぶさん髪型マネしたんだよねっ!そのコメント、私、覚えてたもんね~♪
ビリー・クリスタルも、いいっね。 彼も、才能豊かな方だと、いつも感心させられます。
『アナライズ・ミー』は、笑った笑った・・・!
Carolita |  2005.11.07(月) 22:21 | URL |  【編集】

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